中国ソフトパワー再構築のすすめ/中国如何重新构筑软实力(「島田中文説」より)

10年以上前の話しになるが、日本を訪れていた中国社会科学院副院長から興味ある問いかけを戴いたことがあった。

副院長曰く、「日本人の多くはアメリカが好きだが、中国を好きな日本人は多くない。アメリカは太平洋戦争中に、日本に2回も原爆を落とし、爆撃その他の戦闘行為で300万人以上の日本人を殺した。それなのに日本人の対米感情は悪くない。対照的に、中国はこれまで一度も日本を侵略したことはない。逆に日本が中国を侵略し、多くの中国人の生命と財産を奪った。それなのに、日本の対中感情は必ずしも良好ではない。その理由はなにか。」という質問だった。

これは大変、重要な質問である。私は次のように答えた。日本人の多くがアメリカを好きなのは、アメリカの魅力に魅了されているからだ。日本人の多くが中国を好きになれないのは、今の中国に魅力を感じないからだ, と。その意味を以下に説明しよう。

日米の政治指導者は、太平洋戦争でもっとも激しく戦った日米両国がいまや世界でもっとも緊密な同盟国になった誇らしげに言う。安倍首相は昨年末、オバマ大統領とともにハワイの真珠湾に米軍戦没者の慰霊に訪れた際に、それは「和解の力」だと述べた。

私は前回のブログエッセイで、原因は和解の力ではなく、冷戦が深刻化し、アメリカが日本をアメリカの世界支配体制を守る同盟国として必要とし、日本に多くの支援を与えたこと。そして何よりも、第二次大戦後の豊かなアメリカのライフスタイルや文化が日本人を魅了したからだ、と指摘した。自動車、冷蔵庫、テレビ、映画、そして何よりもアメリカの開放的な文化と分け隔てのない教育が日本人を魅了した、と書いた。

かつて憎い敵対国だったアメリカのその魅力に惹かれ、日本の若者はアメリカに憧れ、アメリカで学ぶことが日本人の夢になった。その日本人をアメリカは多くの奨学金を与えて招いたので、優秀な日本の若者は競ってアメリカの大学に留学し、アメリカを好きになり、アメリカを尊敬したのである。

ひるがえって、中国は日本人の目にはどう映るのだろうか。日中戦争で中国を侵略した日本の行為を私は日本が犯した悔いるべき歴史的誤ちであると考えている。当然、中国の指導者は今日に至るまで繰り返し日本の侵略行為を非難しており、また日本の指導者は繰り返し中国に謝罪している。安倍首相は第二次大戦後70年周年の談話で、このような謝罪は自分の世代で終結したいと述べた。つまり、戦争にかかわらなかった、戦争を知らない新しい世代には、新たな日中関係を創造してもらいたいという願いがそこには込められているのだろう。

私見では、新たな日中関係を創造するためには、日本人は20世紀前半の日中関係の歴史をもっと学ぶ必要がある。人間も社会も歴史の産物であり、歴史を学ばずして新たな未来を創造することはできない、と考える。日本は戦争を知らない世代にも戦争の歴史を率直に詳しく学ぶ機会を学校教育で提供する必要がある。それは日本の大切な宿題だ。

それはそれとして、今の中国は日本人の目にどう映るのだろうか。日本と中国は隣国であり、互いに住所を変えることができない永遠の隣国である。当然、日中両国の交流には長い歴史がある。中国は世界でももっとも古い文明の歴史をもっており、古代では世界最先進国だった。隣国の日本はその中国から進んだ文明を取り入れ、中国の文化と宗教を学んだ。

日本では、先進国中国から文化や学問を学ぶ習慣は、長い中世の時代にも引き継がれた。日本の知識人は、なによりも中国の古代の賢人達、たとえば、孔子、老子、孟子などの思想を学ぶことを教養の基礎とした。中国の優秀な
官僚を選抜する制度だった「科挙」では、中国古典の集約である「四書五経」の学習が選抜の基準とされたが、日本でもそれは知識人の素養だった。

明治時代以降の近代でも、日本は西洋文明を摂取すると同時に、知識人・文化人の間では中国古典の教養が重んじられたのである。いいかえれば、日本人にとって中国は常に文明の先達であり、学問においても文化においても尊敬の対象だったのである。

その中国が、第二次大戦後、日本人にとっては大きく変わってしまった。毛沢東が率いる共産党の指導で中国人民共和国が建国された。共産主義思想は20世紀初頭に、ロシア帝政を倒すためにレーニンらの革命家が実践理論として構築し、さらにコミンテルンをつうじて世界共産主義革命をめざした。

毛沢東ら中国の革命指導者はこれを学び、中国に独自の共産主義体制を築いた。共産主義革命によって蒋介石率いる国民党の勢力を駆逐し、人民に平等思想を説くことは、統治の理論そして戦略としては必要だったかもしれない。しかしそれはロシアの革命家達が構築した思想と戦略であって、中国3000年の長い文明史と文化の蓄積として中国が世界に誇る伝統とはおそらく異質のものだろう。

日本人が幻滅したのは、第二次大戦後の中国が共産主義を強調するあまり、世界が尊敬し憧れてきた中国固有の文化的伝統や文化的遺産まで否定する傾向が横行したことである。とくに「大躍進」の時代や「文化大革命」の流れの中で中国が長い歴史の中で育んできた貴重な文化的遺産が軽視されあるいは破壊されたことは世界史的な損失だった。そうした中国にたいして日本人はかつてのような憧憬や尊敬をもてなくなったのである。

私がこのエッセイで指摘したいのは、長い歴史のなかで育まれ蓄積されてきたこの文化的遺産こそ中国が世界に誇りをもって唱えることのできるソフトパワーの源泉であり核心であるということだ。

一方、日本人が憧れてきたアメリカでは今、異様な事態が進んでいる。政治指導者としての経験も素養もまったく無いドナルド・トランプという人物が大統領となって、人種差別と保護貿易を乱暴に推進している。第二次大戦後の世界が平和と繁栄を享受できたのは、アメリカが主導して国際的な安全保障体制と自由貿易体制を構築し維持してきたからであり、アメリカが世界から尊敬されたのはアメリカの魅力的な文化以上にこうした世界システムの構築のために尽力してきたからである。

それをトランプ大統領は自国第一、白人第一主義を掲げて破壊しようとしている。このような大統領を選ぶアメリカの魅力は最近、急速に低下している。トランプ政権が続く限り、日本や世界はアメリカを尊敬できなくなるだろう。トランプ政権の破壊行為はアメリカが育ててきた優れたソフトパワーの魅力も台無しにしつつある。

中国の文化大革命は中国国内の文化的蓄積の否定だったが、トランプ政権は第二次大戦後世界が営々と築いてきた世界システムを破壊しかねない大きな危険を孕んでいる。また、欧州では、悲惨な世界大戦を繰り返さないために、賢人達と優れた政治指導者が懸命な国際協力によって築いてきたEUを、欧州諸国の一部の政治家達がひとびとの目先の欲望に媚びて破壊しかねない状況になっている。

注目すべきは、トランプ氏も欧州のポピュリスト政治家達も、いずれも近代西欧文明が生み出した民主主義の選挙制度によって選ばれているということだ。近現代を支配した西欧文明は、今、世界史的視野で見れば、重大な反省期にさしかかっているのかもしれない。

中国にとっても日本にとっても西欧文明はもともと東洋の文化的伝統とは異質なものだった。日本はその西欧文をいち早く吸収し目覚ましい経済発展に結実させた。中国は西欧文明に学習に時間がかかり、結局その亜種である共産主義によって近代化を達成した。

中国も日本も、その西欧文明の生み出したしくみそのものの内部矛盾がますます明らかになっている今日、今一度、東洋の歴史を見つめ直し、そこで蓄積された文化的伝統の本質を解釈しなおして、新たな価値体系を考える時代にさしかかっているかもしれない。東洋の仏教や儒教の教えは、自然と社会と人間の調和、そして社会と人間における寛容や忍耐の価値を説いてきた。それは自然と人間の対立、個人と社会の対立と契約を重視する西欧や中東の思想とは本質的に異質である。

中国は長い歴史の中で育まれ蓄積されてきた思想の伝統を見つめ直し、現代世界に新しい光を投げかける新たな価値を問いかけることのできる貴重な立場にあるのではないか。それこそが、中国が今、この混乱した世界に提起できるソフトパワーの核心になるだろう。

中国がそうした文明史的貢献に向けて努力する姿は、改めて世界の人々に希望を与え、魅力となるだろう。そうした努力の一環として、中国は第二次大戦後のアメリカや、戦後経済復興と発展に邁進中の日本が中国に対して提供したような大規模な留学生招致のプログラムを推進すべきだ。それによってより多くの若者が中国を理解し、尊敬し、憧れることになる。経済大国になった中国は、軍事力によって世界にプレゼンスを示すより、こうしたソフトパワーによって世界を牽引する大きな価値を実現する可能性をもっていることを自覚すべきと思う。
 

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「中国如何重新构筑软实力」


差不多是10多年前的事了吧,来日访问的中国社会科学院副院长向我提出了一个问题。

他说:“很多日本人都非常喜欢美国,而喜欢中国的日本人并不多见。然而美国在太平洋战争中向日本投放了2枚原子弹,爆炸以及其他的战争行为造成了日本至少300万人的死亡。即使这样日本人也并不那么讨厌美国人。反观中国,一次侵略日本的行为也没有,倒是被日本侵略,甚至许多中国人的财产和生命都被夺走了。就算如此,日本对中国也并不十分友好。这是为什么呢?”


这是一个严肃而重要的问题,我是这样回答的。很多日本人之所以喜欢美国,是因为他们被美国的魅力所折服。而许多日本人还不那么喜欢中国,是因为他们还没有被现如今的中国的魅力所感染。


太平洋战争中战斗的最激烈的美国和日本,现在成为了世界上关系最紧密的同盟国。美日关系的政治指导者们一直以此为傲。去年年底安倍首相和奥巴马总统共同前往夏威夷,悼念珍珠港事件中的美军遇难者时提到了,这是“和解的力量”。


前一回的博文中我也有说到,这并不是和解的力量,而是由于冷战的深刻化。在以美国为主体的世界支配体制中需要日本这样的同盟国的支持。因此给予了日本多方面的支持。并且第二次世界大战之后的美国逐渐变得富裕,其生活方式及文化也深深地吸引了日本人。自行车,电冰箱,电视机,电影以及美国的开放性文化和无分隔大众化教育,无一不使日本人为之着迷。


被曾经的敌对国―美国的魅力所吸引的年轻一代日本人纷纷开始向往美国,梦想者有朝一日前往美国学习知识。针对这样的群体,美国为其提供了奖学金,因此许多优秀的日本青年争相前往留学,变得更加喜爱和崇拜美国。


那么回过头来看一看,在日本人眼中的中国又是怎样的呢。中日战争中,日本侵略中国这一行为,我认为日本理所应当为其所犯下的历史罪行而忏悔。当然时至今日,中方依旧对日本的侵略行为反复的进行谴责,而日方也想中国反复的谢罪与致歉。安倍首相在第二次世界大战70周年之际也曾提到,希望将道歉与谢罪在自己这一代画上句号。希望在一个没有战争,无关战争的新时代里创造出一种新的中日关系。


个人认为,想要创造一种新的中日关系,那么日本人就很有必要学习一下关于20世纪前期的中日关系史。人类也好社会也罢,皆是历史的产物。我认为如果不了解就无法创造未来。日本当前的一大课题是,很有必要为不知战争为何物的一代人提供更加直观,更加真实的了解战争及其历史的学习机会。


那么当下的中国在日本人眼中到底是怎样一种存在呢。中国和日本作为邻国,并且是永远都无法改变的国土相邻的关系。中日的互通关系古来已有,历史悠久。中国作为全世界历史最悠久的文明古国,曾一度是世界第一强国。作为邻国的日本,从那时起便积极学习中国的文化,宗教等各种文明。


日本在中世纪中的很长的一段时间里,培养并继承了向发达的中国学习各种文化和学问的习惯。日本的文人没也将中国古代的孔子,老子,孟子等圣贤的思想作为安身立命之本。中国古代选拔人才的科举制度将“四书五经”作为考核标准,日本也视之为文人必备的素养。


明治时代之后的近代,日本在学习西洋文明的同时,文人志士也丝毫没有松懈关于中国古典文化的修养及教育。对于日本人来说,中国总是处于文明的最前端,无论是学问还是文化都是当时的日本所崇拜尊敬的对象。


然而二战之后,一直以来日本人眼中的中国却从此发生了翻天覆地的巨变。在毛泽东领导的共产党的指导下建立了中华人民共和国。共产主义思想是20世纪初期,列宁等革命家为了打倒俄罗斯帝国主义而倡导并提出的思想理论,并成立了第三国际,旨在事先并完成世界性的共产主义革命。


毛泽东等中国革命领导者在学习了共产主义思想之后,逐步创立了中国特色的共产主义体制。在共产主义革命思想的指导下,驱逐了蒋介石率领的国民党势力,并向人民提倡了平等思想。这些作为统治理论以及战略思想来说也许是必要的,然而这一由俄罗斯革命家提出的思想战略却与中国所引以为傲的3000年历史文化相悖。


真正让日本人对中国的憧憬就此幻灭的,是二战之后的中国过分强调并推崇共产主义,而逐渐开始否定举世闻名的中国古来的文化传统和文化遗产。尤其是大跃进时代及文化大革命,从古至今累积下来的贵重的文化遗产被轻视甚至被破坏,造成了不可挽回的重大损失。至此日本人对曾经的文明古国―中国的憧憬及尊敬之情荡然无存。


我想强调的是,在漫长的历史长河中培育并积累出的这种文化遗产,才是中国最值得向全世界感到骄傲的软实力的核心。


一方面,日本人憧憬着的美国,如今也正朝着不可预测的方向法发展。既无经验更无修养的特朗普作为政治领导者统治美国,造成人种歧视和贸易保护等一系列混乱局面。二战之后世界迎来平稳和谐繁荣的景象,归功与美国主导并推持的国际安全保障体制和自由贸易体制。美国为开创并维护这一体制所付出的努力,甚至超越了其本身的文化魅力,最终赢得了全世界的尊重。然而这一切正在被特朗普总统的美国第一,白人优先主义所破坏。


如果说文化大革命是对历史悠久的中国传统文明的否定,那么特朗普当权有着极大的,破坏苦心经营至今的世界体制的危险性。同时在欧洲,为了不重演那场极其惨烈的世界大战,圣贤和优秀的政治指导者通过国际合作,进行种种的努力所实现的欧盟体制,现如今由于一部分只顾眼前利益的政治家们而岌岌可危。


更值得关注的是,不论是特朗普还是欧洲的新兴政治家们,他们都是由近代西方文明所创造的民主主义选举而出。从世界史的角度观察,支配着近现代的西方文明,或许需要进行深刻的反省。


不论对于中国还是对于日本,西方文明不同于东方的文化传统。日本率先吸收西方文明,实现了快速经济发展。中国花费了漫长的时间其学习西方文明,导致最终通过学习西方文明的亚种―共产主义,来实现了现代化。

先如今,西方文明所创造出的系统内部矛盾与日加深,不论中国还是日本,或许已经进入了重新审视东方历史,重新定义积累至今的文化传统的本质,重新思考价值体系的时代。在东方的佛教和儒教思想中提倡自然与社会与人类的和谐,并且诉说着真正的价值在于社会和人类的宽容与忍耐。这些观点,与述说着自然与人类的对立,个人与社会的对立的同时,重视契约说的西方文化思想有着本质上的不同。


我认为中国正处在,重新审视在漫长的历史长河中所积累下来的传统思想,为当代世界提供新的曙光的重要立场。这种思想正是中国影响当今格局混乱的世界所需要的软实力的核心。

为世界文明史的进程进行不懈努力的中国,会给世界人民带来希望,会让世界人民感受到中国的魅力。


作为其中的一部分,我建议中国大规模推进招收留学生事业,就像二战后的美国和实现经济复兴,正在飞速发展时期的日本的一样。通过这方面的不懈努力,会有更多的年轻人理解中国,尊敬中国,憧憬中国。作为世界经济大国的中国,应该意识到比起通过向世界展现军事实力,或许通过这种软实力来引领世界前进,有着实现更重大的意义与价值的可能性。


安倍首相の真珠湾訪問と「和解」の力/首相安倍的珍珠港访问与和解之力(「島田中文説」より)

2016年12月27日、安倍晋三首相は真珠湾を訪問し、バラク・オバマ大統領と共に、真珠湾の戦争で命を落とした人々の慰霊に平安の祈りを捧げた。

真珠湾は75年前に、日米戦争(太平洋戦争)が勃発したところである。

日米戦争は、1941年12月7日未明、日本海軍の数百機の戦闘機と爆撃機による真珠湾に停泊するアメリカ海軍の主要な艦船への攻撃から始まった。

日米両国はそれから4年間、世界史上もっとも激しい死闘を展開した。

戦争は日本の完全な敗北に終わり、日本列島は廃墟と化した。

戦後、日本は不戦の誓いの下、平和主義国家に生まれ変わり、アメリカの支援を得て、世界の奇跡とされた高度経済成長を達成した。

安倍首相とオバマ大統領の今回の真珠湾での講話は、激しい戦争を戦った日本とアメリカ両国が今や、最も信頼するで同盟国であることを強調した。

その世界史的成果は、寛容の心と和解の力によるものであることを二人は強調し称揚した。

たしかに激しい戦争を戦った両国が、今や最も信頼する同盟国になったという事実は、世界史でも特筆すべき成果だ。

しかし、その成果は、果たしてアメリカ国民の日本に対する寛容さと日米両国の和解によって達成されたのだろうか?

歴史を顧みると、事柄はそれほど単純でないことが判る。

1945年の終戦から1950年代初頭まで、アメリカの指導者たちも国民も、日本に対しては敵意と猜疑に満ちていた。

日本の激しい戦闘行為への脅威と日本が再び軍国主義国家に戻るおそれへの猜疑である。

しかし、アメリカの反日本的な態度は、1950年代の東西冷戦の深まりによって180度逆転した。

その理由は、スターリンが主導した世界共産主義浸透の脅威に対して、日本を同盟国として活用することが有利であるというアメリカの戦略的判断である。

1980年代末までの40年間の冷戦時代をつうじて、アメリカは日米安保条約に基づいて日本の防衛を支え、また資本主義陣営の経済発展のモデルとすべく日本の経済発展を支援した。

これらはいずれも寛容というよりはアメリカの冷戦時代における戦略的利益のためである。

日本はアメリカの支援を享受したが、利益の享受は和解と同義ではない。

和解とは相手を理解し、合意することである。

両国には相手の社会、文化、歴史や政治を理解する知日派、知米派を呼ばれる人々がいる。しかし彼らは両国ともごく少数である。

国民レベルの和解には、いわゆるソフトパワーの果たした役割が大きい。

とくに戦後の日本人に対してアメリカの高度な産業力、車、電化製品、音楽、映画そして大学教育が与えた影響は甚大である。

アメリカは国や多くの財団が奨学制度を推進し、多くの日本の青年がアメリカで学び、アメリカを理解するようになった。

日本人はアメリカのこうしたソフトパワーに魅了されアメリカに好意を抱くようになった。

冷戦が終わり、1990年代から世界は新しい混乱の時代になった。

冷戦時代に構築された日米同盟の新しい意義を、日米両国は再確認しようと努力している。

両国は同盟の意義を、平和と人権と民主主義という価値の共有に求めようとしている。

日本人はアメリカともっとも重要な価値を共有できると信じて来た。トランプ政権が登場するまでは。

私も和解の力を信じたい。和解は平和に導く力があると思う。

ここで、日中両国の関係を考えてみたい。

中国政府は日本人の歴史認識の欠如を批判し、日本は中国の急速で大規模な軍拡を警戒している。日中両国の友好的協力がお互いに戦略的に有利であることは自明である。

友好協力の基礎に両国民の和解があればさらに望ましい。

和解が相互の理解と合意で達成されるとすれば、両国がます取り組むべきはお互いの理解だろう。日米関係にくらべ、日中関係の相互理解は著しく乏しい。

日本では、現代史とくに日本とアジア、日本と中国の関係などが学校で教えられていない。

中国の指導者が日本人の歴史認識の欠如を批判するが、大多数の日本人はその意味を理解できないだろう。

一方、中国人の対日認識は著しく偏っている。毎年、数百万人の中国人が日本を訪れているが、それらは中国人旅行者のごく一部でしかない。

しかも彼らの興味は日本の商品や温泉にあり、日本の文化や歴史には関心がない。

中国政府が教える日本や日本人像と、彼らが日本に来て感ずる日本や日本人像の大きな違いにはあまり興味がないようだ。

戦後、日本は毎年数万人の中国人留学生に奨学金を支給し、日本で学ぶ機会を提供してきた。その数は総計200万人に近い。

その結果、現在では100万人以上の中国人が日本語を理解し、通訳ができる。

中国語を話し、通訳のできる日本人は1万人も居ないだろう。

相互理解の促進のために、中国政府は、これまで日本政府が中国人向けに提供してきたように、日本人向けに大規模な奨学制度を推進すべきではないか。

中国には歴史的にも文化的にも人類が誇るべき資産があり、中国はこれを教育資産として多いに活用できるだろう。

日中両国の平和で友好的な発展のため、和解の前提として、まず両国は相互理解の促進のための教育政策に尽力すべきではないか。

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「首相安倍的珍珠港访问与和解之力」

2016年12月27日,日本首相安倍晋三对珍珠港行访问,与美国总统奥巴马共同祭奠珍珠港一役中的遇难者,并表示沉痛悼念。

75年前,太平洋战争于珍珠港爆发。

1941年12月7日,日本海军的数百架战斗机和轰炸机对停泊在珍珠港的美军军舰发动夜袭,太平洋战争拉开序幕。

此后,日本和美国展开了为时4年的苦战,成为世界上最惨烈的战争之一。最终,太平洋战争以日本惨败而告终,日本列岛一片狼藉,成为废墟。

太平洋战争结束之后,日本承诺不再参战。经历了残酷战争的日本成为和平主义国家,并且在美国的支持下经济得到快速成长,被称为世界奇迹。

安倍首相和奥巴马总统的本次珍珠湾会晤,谈及了惨烈的战争是史对两国造成的伤害的同时,也强调了如今的同盟立场。

二人强调,能够取得这样的成果,归功于两国的宽容以及和解之力。

日美两国从激战到建立相互信赖的同盟关系,可以说在世界史上极为罕见。

能够取得这样的成果,是否只是归功于美国国民对日本的宽容,以及日美双方对和解的向往?

回顾历史,事情往往不那么单纯。

战后的1945年到50年代初期,美国的领袖和国民对日本充满了敌意与猜忌。

他们认为,日本的战争行为极为激进,同时有重返军国主义的风险。

但是,由于50年代的冷战的激化,美国反日的态度发生了巨变。

其原因是,美国认为与日本构筑同盟关系,有利于对抗由斯大林主导的共产主义所构成的威胁。

在持续了40年的冷战的期间,直到80年代,美国根据日美安保条约的约定,在保卫日本的同时,全力支援日本的经济发展,为资本主义阵营塑造了一个经济发展的榜样。

归根结底,这是出于美国在冷战期间为了取得最大利益所采取的战略,而不是出于宽容。

日本享受到了美国的支援,但是在利益上的享受与和解的意义并不相同。

和解代表的是理解并认同对方。

在两国,有一群人被称作知日派和知美派的人。他们了解对方的社会,文化,历史,政治。但是这些人只是极少数。

在国名阶层的和解中,软实力发挥了巨大的作用。

特别是美国高度发达产业,汽车,电器,音乐,电影以及大学教育,对于战后的日本人产生了巨大的影响。

同时美国政府和财团开设奖学金制度,让大量的日本青年赴美学习,加深对美国的了解。

从此,日本人为美国的软实力深深折服,并开始抱有好感。

冷战结束的90年代,世界进入了一个新的混乱时期。

日美开始重新审视冷战时期构筑的日美同盟,同时探索日美同盟新的意义所在。

最后,关于日美同盟的意义这一点,在共同追求和平,人权和民主主义这三点价值上得到了新的共识。

日本人也一直坚信在核心价值上和美国达成了共识,直到特朗普的上台。

我愿意相信和解之力,并认为和解可以带来和平。

在这里,我想思考一下日中两国的关系。

中国政府批判日本人对历史认知的不足,日本政府则警戒着中国急速的大规模扩军。

日中两国的友好合作关系会为双方带来战略性意义这件事不言自明。

更为理想的是,日中的友好合关系可以以两国国民的和解为基础。

如果通过双方的理解与认同从而达成和解的话,两国首先需要做的是加深相互理解。

与日美相比,日中的理解程度还远远不够。

在日本,学校没有进行现代史,特别是日本和亚洲,日本和中国关系的历史教育。

这导致大多数日本人无法理解为何中国政府批判日本人对历史认知的不足。

同时,中国人对日本的认知过于偏激。虽说每年有数百万的中国游客来到日本,但是从中国游客整体来看,这只是一小部分。

同时,他们的目的是日本的商品和温泉,对日本的文化和历史并没有兴趣。

所以,即使现实中的日本人与中国政府所发行的历史教科书中的日本人有着巨大的差异,他们也不会在意这些。

战后,日本每年为数以万计的中国留学生颁发奖学金,为他们提供了在日本学习的机会。总数已将近200万人。

因此,现在有100万以上的中国人通晓日语。

但是通晓中文的日本人恐怕连一万人都不足。

我认为中国政府应该仿照日本政府,大规模的为日本留学生颁发奖学金,以促进相互的理解。

中国在历史和人文方面,有着诸多可以代表人类们明的遗产。中国可以把这些遗产作为教育材料,让他们进一步发扬光大。

所以我认为,为促进以和解为前提的日中两国的和平友好发展,两国首先需要着重发展教育事业,促进相互的理解。

http://www.haruoshimada.net/chineseblog/2017/02/post-a111.html

安倍・プーチン会談と日本の針路/安倍・普京的会谈与日本的方针(「島田中文説」より)

2016年12月15日と16日、日本の安倍首相とロシアのプーチン大統領の会談が行われる。 安倍首相は、北方四島の返還を含む日露の平和条約締結を望んでおり、そのための環境整備 として経済協力を促進しようとしている。これに対し、プーチン大統領は日本の経済協力を強化 することで日露の経済関係の発展を望んでいる。一方、北方領土(四島)問題と平和条約には 慎重だ。

日本側は、経済協力の具体的な進め方として、ロシアの主として国内産業の発展を支援する ために8項目の協力案を提示し、両国の関係閣僚が相互に訪問するなど具体的な努力を積み重ね てきた。これに対し、プーチン大統領は、経済協力の8項目を評価する一方で、北方四島について は主権をゆずるつもりはないなど否定的な発言が目立つ。

北方四島とは、北海道の東側の四つの小島だ。日本は歴史的にこれらの島は日本固有の領土と 主張。第二次大戦末、日本がポツダム宣言を受諾した直後に、ソ連が、当時有効だった日ソ中立 条約に違反して四島を不法占拠。今日まで実効支配している。

そうした異常な状態のため、日本とロシアの間には戦後70年間、平和条約はない。安倍首相は 自らも長期強力政権であり、プーチン政権も長期強力政権なので、この根本的課題を前進させ 解決する好機と考え、熱心に今回の首脳会談を働きかけてきた。

安倍首相には、日露の友好関係を前進させることは、中国に対しても一定の牽制になるとの読み?(計算)もあるようだ。しかし、プーチン氏は、今回の安倍首相との会談開催には前向き(積極的)だが、中露の信頼関係は日露関係より深いと言明している。

ロシアの2014年春のクリミヤ半島併合に、米欧諸国は強く反発し、それ以来、対露経済制裁 を続けている。日本は西側諸国のメンバーとしてロシアに対し一定の経済制裁を課している。 プーチン氏は日本のこうした行動に不満だ。

経済制裁を主導したのはオバマ政権が率いる米国だが、アメリカのトランプ次期大統領は、 プーチン氏を強い指導者として評価し、友好的な米露関係を築こうとしているように見える。 トランプ政権が発足すると、アメリカは、ロシアのクリミヤ半島併合の非難をやめ、経済制裁 を解除して、米露経済交流を進めるかもしれない。
こうした複雑な世界情勢の中で開催される日露会談に世界は注目している。日本の経済協力案 は相当具体化しているので、かなり実行されるだろう。最近のプーチン大統領の発言から判断 すると、これとは対照的に、北方領土問題には実質的な進展は見られないのではないか。

国内の日露会談への期待が高いだけに、領土問題の進展が得られなければ、国内的な安倍政権の評価にはマイナスだろう。ロシアは利益を得るが、西側諸国は、今回の日本の行動を評価しな いのではないか。

領土問題には安易な妥協は禁物だ。目先の利益を追わず、時間がかかっても、日本は平和と法治 という普遍の価値を主張しつづけるべきではないか。

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「安倍・普京的会谈与日本的方针」

日本首相安倍与俄罗斯总统普京的会谈将于2016年12月15日,16日举行。

首相安倍希望通过加强经济合作,为签订包含归还北方四岛的和平条约打下基础。对此总统普京希望加强经济合作,促进两国经济关系的同时,对北方四岛问题和签订和平条约则表现出慎重的态度。

到目前为止,日本提出了支援俄罗斯国内产业发展的8项合作协议,并通过两国要员的相互访问,为促进两国经济合作做出了诸多努力。对此,总统普京也对8项经济合作协议表示认可。但更引人注目的是,总统普京对于北方四岛的主权问题的否定性发言。

北方四岛是位于北海道东面的四座小岛。日本的主张是,这些岛屿从古至今都是日本的固有领土。直到第二次世界大战末期,日本接受波茨坦宣言后,苏联违背了日苏中立条约非法占领四岛,支配四岛直至今日。

由于这种异常的状态,日本和俄罗斯在战后70年间都没有签订和平条约。由于安倍政权和普京政权都是具有长期性的稳固政权,安倍希望借此良机,根本改善这项问题,所以积极的促成了这次首脑会谈。

首相安倍认为,促进日俄关系友好对于中国也会有一定的牵制作用(也有一部分是安倍的战略)。但普京对于开展会谈表示肯定(积极)的同时,明确指出中俄关系深厚,超过日俄关系。

当年欧美强烈反对2014年俄罗斯克里米亚半岛的合并,直至今日都在进行对俄的经济制裁。日本作为西方诸国阵营的一员,也对俄进行了一部分经济制裁。对此,普京对日本的行为表示不满。

虽然主导这次经济制裁的是美国的奥巴马政权,但是美国的下一届总统特朗普却正面评价采取强硬态度的普京。由此可见,特朗普可将发展美俄的友好关系。特朗普掌权后,美国或许会终止对俄罗斯克里米亚半岛合并之事的否定与经济制裁,促进美俄的经济交流。

因此,由于此次会谈的复杂背景,全世界都会关注。由于日本所制定的经济合作方案极为具体,所以有很大希望得到执行。但通过近期普京的发言所推断,北方领土问题却难以得到实质性的发展。

如果领土问题得不到进展,对于日俄会谈抱有高度期待的日本舆论会对安倍政权做出负面评价。虽然最终俄罗斯受益,但是西方诸国也不会对日本的此次行动做出正面评价。

领土问题不允许有一丝的妥协。我认为即使耗时长久,也不要盲目追求眼前利益,日本应该用长远的目光,始终贯彻并主张和平与法治的普遍价值。

http://www.haruoshimada.net/chineseblog/2016/12/post-bfea.html

高齢化と財政危機/老龄化和老龄化(「島田中文説より」)

日本も中国も、近年、人口の高齢化が急速に進展しており、将来、ますます高齢化 が進むと予測されています。

日本は現在、世界主要国のなかではもっとも高齢化が進んでいる。65歳以上人口比 は現在26%。それが2050年には40%になると予測されています。

中国の高齢化は日本より遅れているが、長い間「一人っ子政策」をとってきたため、 高齢化の水準はやがて日本より高くなると予測されています。

日本にとっても中国にとっても、高齢化は、長期的には、社会的、経済的、そして 政治的に最大の問題を引き起こします。。

人口の高齢化は、財政に深刻な影響をもたらす。日本は第二次大戦後、戦時国債の 負担で財政が破綻し、国民が金融資産を失うという悲惨な経験をしました。この反省に 基づき、戦後は「財政法」の制約の下で、赤字国債の発行を厳禁してきました。ちなみに 60年間で償却する規則になっている建設国債は財政法で許容されていますが、償還の規 則ののない赤字国債は財政赤字を増や危険があるので、発行が禁じられてきました。

しかし、周期的な不況や、1990年代以降の長期不況の対策として、赤字国債の 発行が不可避となり、日本の財政赤字は急速に増大してきました。とりわけ、2000年代 以降は、人口の高齢化が、年金、医療、介護費用の膨張をつうじて、財政赤字の増加 が加速しました。

いまや日本の財政赤字はGDP比240%%にも達しています。あのギリシャでさえ財政 赤字はGDP比180%です。私たちは日本の財政がいかに深刻な状態にあるかを認識 すべきです。

日本政府は2010年に「財政健全化計画」を発表し、2020年までに基礎的財政収支 を均衡させると公約しました。しかし、景気対策と社会保障費の負担で、財政赤字は 増加しつづけ、その公約は達成されそうもありません。

景気対策も高齢化費用の負担も、いずれも国民の熱烈な需要に応える支出であり、 これを抑制することは、選挙に負けることを意味します。つまり、財政赤字の膨張は 民主主義の不可避のコストに見えます。民主主義体制の日本では、政治の力では、財政赤 字を止めることは困難に見えます。
これにくらべ、中国には選挙がないので、政治は財政赤字を抑制しやすいかもしれません。

財政赤字がGDPの2.4倍にも達している日本の状況は、財政がすでに危機状態にある ことを物語っています。なぜなら、市場が財政破綻の引き金を惹く危険が高いからです。

財政赤字が大きく、財政健全化計画が実現できないということは、国が借金を返せない ことを意味します。借金を返せない国の国債には価値を失います。

市場が、日本政府は借金を返せないと判断した時、金融機関は国債を保有することは 危険なので、国債を売ります。多くの金融機関が国債を売ると、国債の価格は暴落します。

国債の利回りは、国債価格の逆数ですから、国債価格が暴落すれば、金利は高騰します。

金利が高騰すれば、GDPの240%もある財政赤字は短期間のうちに、その何倍にも 膨張します。その結果、財政は破綻します。

財政が破綻すると、国は新規に借換債を発行できず、財政は維持不可能になります。 高金利の下で企業は投資ができなくなります。経済活動が止まるので国民は生活が できなくなり、日本全体が破綻します。

今の膨大な財政赤字の蓄積は、日本が、市場の作用で、いつでもそうのような破綻に 陥る危険が高いことを意味します。

安倍首相の主唱するアベノミクスは、株価を上げ、大企業の利益をふやしました。短期 の経済政策としては、一定の成功を納めました。

安倍政権はしかし、高齢化による財政危機の深刻化を抑える政策には取り組めません。 民主主義体制の下では、財政赤字膨張の最大要因である景気対策と社会保障費の膨張を 抑制する政策を実行することは困難です。なぜならそうした対策は政権の維持を危うく するからです。

高齢化が加速する中国も中長期的には同じ問題に直面することは明らかです。しかし 中国は民主主義体制でなく、選挙もないので、政府はもっと強力に財政赤字の膨張を 抑制できるかもしれません。

高齢化と財政問題について、日本と中国はお互いの経験から学び、将来のために 新しい知恵を生み出す必要があるでしょう。

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「老龄化和老龄化」

 无论在日本还是中国,近几年人口的老龄化急速发展,预计未来人口老龄化问题将会更加严峻。

在世界经济大国中日本的老龄化问题尤其严重。现在65岁以上的人口比例为26%,预计在2050年会达到40%。

中国与日本相比,老龄化进程相对缓慢,但因长时间实行独生子女政策,预计将来中国的老龄化问题将会超过日本。

无论是日本还是中国,老龄化问题都将会对社会、经济、政治引发诸多问题。

人口的老龄化,将会给财政方面带来极大影响。在日本曾有过一段惨痛的教训。二战后的日本因为过重的战争国债导负担致了财政崩溃,使日本国民失去了拥有的资产。作为对于此事的反省,日本颁布财政法,禁止了对于赤字国债的发行。至今为止,即使财政法允许发行以折旧年数为60年的建设国债,但仍旧不批准发行有可能加大财政赤字风险的赤字国债。

但是,为了解决周期性的不景气和1990年以后的长期不景气问题,政府不得不发行赤字国债,导致了日本的财政赤字问题急剧扩大。尤其是2000年以后,因为人口的老龄化导致养老金,医疗费用,护理费用的支出急剧扩大,进一步加快了财政赤字。

此时的日本财政赤字与GDP比率达到了240%。希腊的财政赤字比率为180%,我们应该认识到日本的财政状况已经处于严峻的状态。

日本政府2010年发表了『健康财政计划』,承诺到2020年的基本财政收支将保持平衡状态。但是,为了解决经济问题和社会保障费用的支出,财政赤字将会继续增加,很明显『健康财政计划』无法实现。

无论是解决经济问题还是老龄化费用的支出,都是为了解决国民们最迫切的问题。若是抑制支出的话,对于政治家就意味着落选。由此可见,在民主主义社会,财政赤字的膨胀无法避免。所以在民主主义社会的日本,通过使用政治手段,制止财政赤字增长是一件十分困难的问题。

与日本相比,因为中国因为实行非民主主义选举政策,所以用政治手段,可以相对容易的抑制财政赤字问题。

当今日本的状况,财政赤字已经达到了GDP的240%,可以说财政已经陷入了危机状态。因为,市场随时可能引发财政崩溃。

随着财政赤字扩大,『健康财政计划』将会难以实现。这意味着国家不能返还借款。当一个国家不能返还借款,那么它的国债也将失去价值。

当市场断定日本政府不能返还借款的时候,对于金融机构来说继续持有国债存在巨大风险,所以金融机构会选择抛售国债。当大量的金融机构抛售国债,国债的价格将会大幅下跌。

由于国债利率与国债价格为倒数关系,国债价格暴跌的话,利息将大幅上涨。

如果利息大幅上涨,达到GDP240%的财政赤字会在短时间内会膨胀数倍,导致财政崩溃。

财政崩溃后,国家无法发行新的借换型国债,财政将无法继续维持。因为高利息会导致企业无法继续投资,从而导致经济活动停止,国民将无法生活。最终导致全日本崩溃。

现在日本的财政赤字不断积累,在市场的作用下,随时有陷入崩溃危险的可能。

首相安倍主张的『安倍经济』使股价上涨,让大企业的利益得到了增长。作为短期的经济政策,取得了一定的成功。

但是安倍政权,无法抑制老龄化带来的财政危机。在民主主义体制下,经济对策以及如何抑制社会保障费用的膨胀是财政赤字的最大原因。但是考虑到政权的稳定性,很难施行以上问题的政策。

很明显,在老龄化加速的中国也存在着同样的问题。然而,中国并非民主主义社会,也没有选举制度,所以政府可以强行的抑制财政赤字的扩大。

我认为,关于老龄化和财政问题,日本和中国需要互相学习对方的经验,共同思考解决方案。

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トランプのアメリカとどうつきあうか/如何对待以特朗普为首的美国(「島田中文説」より)

私は島田晴雄。慶應義塾大学名誉教授、千葉商科大学前学長、日本国際フォーラム理事。

日本の大切な隣国である中国の文化、歴史、経済、政治に興味があり、英語とならぶ世界の 主要言語である中国語で、私の意見を定期的に表明して、多くの中国語の読者に理解して いただくことは大きな意義があると考え、このほど、中国語でブログを発信することに しました。

「トランプのアメリカとどうつきあうか」

2016年11月8日、アメリカの大統領選挙の結果、ドナルド・トランプ氏がアメリカ合衆国の 第45代大統領に就任することが決まりました。

今回の大統領選挙はアメリカの歴史でも異例な革命的ともいうべき選挙でした。選挙がトラン プ氏の暴言ばかりの過激な性格を反映して、ヒラリー・クリントン氏との間で、史上最悪といわ れるほど激しい罵り合いに終始したとことも異例でしたが、何よりも、トランプ氏が政治家、公 職、軍務の経験が全くなく、不動産屋で金儲けしただけの男であり、その素人が予備選で共和党 の老練政治家を打ち破って共和党の大統領候補となり、本線で多くの世論調査では上位にあった 民主党のクリントン候補に大差で勝利して大統領になったことは、アメリカの歴史上前代未聞の 結果でした。

クリントン候補は、トランプ候補とは対照的に、彼女の夫であるビル・クリントン元大統領を ファーストレディとして助け、上院議員として多くの政策を推進し、8年前の大統領選ではオバマ 候補に最後に敗れましたが、オバマ政権の国務長官としてアメリカの外交政策を担当した超エリー トで、ワシントンの政界にも、また世界の政治情勢も熟知したベテランの政治家です。今回の 選挙戦ではトランプ候補の追い上げに対して最後まで優位を保ち、ほとんどの専門家はクリント ン候補の勝利を予想していましたが、結果はトランプ氏の勝利でした。

なぜこのような予想外の結果になったのでしょうか。その最大の原因は、近年のアメリカの社 会経済の大変化に取り残され、経済的に不利な立場に立ち、アメリカ政治の現状に幻滅し、怒り を募らせていた多数の大衆がこぞってトランプ氏に投票したことにあると言われます。世論調査 では、クリントン氏が常に優勢でしたが、世論調査ではトランプ支持と答えなかったいわゆる隠 れトランプ派が数百万人もおり、彼らが投票所でトランプに投票したため、世論調査とは全く違っ た結果になったようです。

これはアメリカ社会の病理現象でしょう。しかし、彼らに選ばれたトランプ氏は、性格は粗野 で、女性や少数民族には差別主義者で、経済や世界政治の知識はほとんどなく、政治の経験もゼ ロという極めて危うい人物です。そのトランプ氏が多くの物を言わぬ怒れる大衆の声を代弁して大 統領になりましたが、その結果、穏健で現状を前進的に改善しようとするクリントン支持者たち との間に大きな亀裂を作りました。トランプ氏は就任演説で、私は全てのアメリカ人の大統領だ、 と言いましたが、分裂したアメリカを彼がまとめることはできないでしょう。その上、彼は世界 最強の軍隊の司令官で、核兵器のボタンを押す権限を持ち、世界最大の経済の指導者としてを世界経済の発展に貢献しなくてはなりません。その大きな仕事を彼が成功裏に実行することはでき ないと思います。

日本は、アメリカを最も信頼する同盟国なので、トランプ氏の登場は日本にとって想定外のリ スクであり、未知の挑戦です。一方、トランプ氏の特徴は、既存の秩序と仕組みを破壊すること にあります。それは国内でも国際社会でも既存の秩序を破壊しようとするでしょう。日本にとっ ては、これまでの秩序を破壊されることは、深刻な危機です。しかし中国は新しい世界秩序を構 築しようとしているので、トランプ氏の登場は中国にとっては大きなチャンスになるかもしれませ ん。日本にとっても中国にとっても、トランプ氏の登場は異なった意味で非常に重要な出来事で あり、大いに注目していく必要がありそうです。

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我是岛田晴雄.庆应义塾大学名誉教授,千叶商科大学前校长和日本国际论坛理事.

中国是日本的重要邻国.我对中国的文化,历史,经济,政治有着深厚的兴趣.在当今世界,中文是和英文并肩的主要语言,我认为用中文让中国读者理解我的见解这件事情有着深刻的意义.因此我下定决心定期发布中文博客.

第一次的题目是:<如何对待以特朗普为首的美国>
2016年11月8日,美国大选落幕.唐纳德・特朗普当选美国第45任总统.

这次大选可以称为美国历史上极为罕见,也是一次革命性的选举.选举中特朗普粗暴的话语反映了他偏激的性格.与希拉里间持续不停的激烈对骂,更是美国选举历史上闻所未闻的.特别是毫无政治家,公务员和军务经验,靠不动产发家的特朗普,首先战胜了老牌政治家成为共和党总统候选人,之后大败了在舆论调查中保持着领先优势的希拉里,成为了美国总统这件事在美国历史上是前所未有的.

希拉里与特朗普截然不同.她曾经作为第一夫人协助前总统克林顿的同时,也作为上院议员推行了各项政策.在8年前的总统大选中输给了奥巴马的希拉里成为了美国国务卿,扛起了美国外交的重责,毋庸置疑,希拉里是一个熟知世界动向,有着丰富经验的卓越政治家.在这次的选举中,希拉里对于奋起直追的特朗普始终保持着优势,几乎所有的专家都预测希拉里会在这次选举中胜出.但是结果却是特朗普成为了这次大选的赢家.

为何这次会出现这种令人瞠目结舌的结果?我认为最大的原因是,近年美国没有赶上世界经济潮流,立场极其不利,使得美国民众对美国政治失去信心,最终导致满腔愤怒的多数民众选择了特朗普.在舆论调查中,虽然希拉里一直保持着优势,但是在希拉里的支持者里面隐藏了数百万的隐性特朗普支持者.这些隐形的特朗普支持者,直接导致了这次大选出现和舆论调查截然不同的结果.

我认为这是美国社会的一种病态.这次当选总统的特朗普是一个性格粗野,歧视女性和其他民族的差别主义分子.他毫无经济知识和政治经验,是一个极其危险的人物.在这次选举中,替有怨难言的美国民众讲出了他们心里话的这位危险人物当选了美国总统.这导致与计划实现稳健成长的希拉里支持者们出现了不可修复的裂痕.在就任演讲中特朗普讲到,我是全美国国民的总统.但是他又如何统治已经分裂了的美国?他是世界最强军队的总司令官,掌握着核武器的发射密码.同时作为世界最大经济体的领袖,特朗普有着推进世界经济发展的责任.但是我觉得他无法胜任这项任务.

日本虽然是美国最信赖的同盟国,但是特朗普的登场对日本来说是一个突如其来的风险和无法预知结果的挑战.无独有偶,特朗普是一个对于现存制度与秩序的破坏者.可以预见,他今后会在美国国内及全球展开破坏.打破以往的秩序对于日本来说是一个巨大的危机.与此同时,对于正准备构建世界新秩序的中国来说,特朗普的登场或许是一次千载难逢的良机.对于日本和中国,特朗普登场有着截然不同的意义,但对双方来说都是一次影响深远的事件.今后需要时刻关注此事的动向.

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中国語エッセイ

このたび、私の日本語のブログ「話題の泉」に、私が昨年11月から開始しました中国語ブログ「島田中文説」の文章を並行して掲載させて戴くことにしました。「島田中文説」は、そのタイトルのブログとして主に中国の方々に向けて書いておりますが、そこで扱われたテーマは、日本語の読者の方々にとっても意味のあるテーマが少なくないので、これから中国向けのエッセイを書いた時には、「話題の泉」にもあわせて掲載させて戴くことにしたいと思います。

中国語のエッセイは、これまで4本書いており、現在1本を日本語の原稿から中国語の原稿に翻訳中です。

すでに発表された4本のテーマ(日本語訳)は以下の通りです。

1. トランプのアメリカとどうつきあうか
2. 高齢化と財政危機
3. 安倍・プーチン会談と日本の針路
4. 安倍首相の真珠湾訪問と「和解」の力

これは、もともと中国語を読む読者のために書かれたエッセイなので、話題の泉ではまずその日本語エッセイを載せ、あわせて中国語エッセイを掲載します。

トランプのアメリカと日本の課題

 ドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ合衆国の大統領になった。大統領選史上最悪の罵り合いと言われた今回の大統領選挙は異例ずくめだった。何よりも、街の不動産屋として金儲けはしたかもしれないが、政治のみならず公職も軍務の経験もなく全く無名の泡沫候補だったトランプ氏が足掛け2年間におよぶ選挙戦中に頭角を現し、みるみるうちに名だたる共和党の練達政治家を打ち負かして共和党大会で大統領候補の指名を勝ち取り、大統領選の本選では先行するクリントン候補を猛追して、とうとう最終投票日では過半数の代議員を獲得して大統領の座を勝ち取ったことが象徴的だ。

 選挙戦中の言動をつうじて明らかになったことは、クリントン候補による「大統領として不適格」との批判を引用するまでもなく、トランプ氏がひどくマナーが悪く、驚くほど知識が無く、経験が欠如しているということだった。彼の”不適格さ”は伝統ある共和党主流派の元老達が本選の終盤にかけて共和党としてはトランプ氏を支持しないという異例の態度をとったことが物語っている。しかし、どれだけの欠陥があろうとも選挙民(代議員)の過半が彼を支持したからには彼がいまや大統領であることは動かしがたい事実である。それがアメリカの民主主義の帰結である限り、私たちはこれから少なくとも4年間はトランプのアメリカとつきあって行かねばならない。

 それでは、私たちの国「日本」はどのようにつきあっていけば良いのだろうか。トランプ氏は選挙戦中にほとんど暴言ともいうべき多くの政策を唱えた。不法移民を止めるためにメキシコとの国境に長城を築かせる、イラクを占領して油田を確保する、など枚挙にいとまがない。しかし彼は主な主張は一貫して唱えており、それなりに本気なのだろう。日本に直接関連する主張もいくつもあった。それらの多くは世界政治の常識から見れば恐ろしく荒唐無稽なものである。政治の専門家や評論家は、選挙戦中の発言は実際に大統領になると行政機構や内外の現実をふまえて修正され調整されることが多いと指摘するが、しかし、多数の選挙民に向けての公的な発言はいわば公約であり、その主張の趣旨を基本的に変えることは難しい。

 そうであるとすれば私たちは、次期アメリカ政権がトランプ氏の主張の趣旨をできるだけ貫こうとするという前提に立って、対応策を考えるべきだろう。日本に関する多くの発言のなかで、例えば以下の3点に注目して、日本の対応のあり方を考えてみよう。それらは1)TPP,2) 雇用機会の流出、そして3)日米軍事同盟、である。

1)TPPは先に参加したアメリカの強い進めもあって日本は2013年に交渉参加を決意し、それ以来懸命に参加条件の国際交渉を推進するとともに、参加に対応すべく農業など国内産業の構造改革に努めた。国際的な基本合意は2015年10月に達成され、あとは各国の批准を待つばかりになったが、アメリカは議会の抵抗で批准が進まなかったばかりか、トランプ氏は一貫して反対。オバマ大統領を助けて交渉を推進したクリントン国務長官(当時)は、TPP反対派のバーニー・サンダース民主党候補の追い上げで、反対派に回ったため、大統領選はTPP反対一色になった。トランプ氏は大統領に就任したらその日にTPPから離脱すると言明しているので、そうするだろう。

 TPP12カ国のGDP総額のうちもともと日米で約8割を占めており、アメリカが離脱すれば日本は残額の約6割を占めることになる。それでは国際貿易協定としてはほとんどメリットがない。日本は依然として基本的に貿易立国なので、自由貿易を享受することの意味は大きい。2013年に策定された安倍政権の成長戦略では2018年までにTPP等も含め自由貿易圏との貿易を7割にすると謳っているが、現在はまだ2割である。TPPが不成立なら、日本は成長のために中国が主導するRCEPなどへの注力が不可避になるかもしれない。

 オバマ政権主導のTPPには中国包囲網的な含意があったが、それが形骸化するなかでの日本の次の選択は国家戦略上、極めて重要な意味をもつ。トランプ政権の誕生は結果的に日本にそうした国際戦略の選択を迫ることになるが、日本にその用意はあるだろうか。

2)雇用機会については、トランプ氏は選挙戦をつうじて、「アメリカの製造業労働者の雇用機会は中国や日本に奪われてきたので、それらの国々から雇用機会を取り戻す」と叫びつづけ勤労大衆の熱烈な支持を取り付けたことが大きな勝因になったとされる。雇用機会はそもそも製品の品質と価格(生産性)で決まるもので、大統領といえども力づくでその配分を変えることはできない。もし関税や数量割り当てなど人為的手段で配分を変えるなら市場競争が阻害され、それは結局、アメリカ労働者の雇用機会を全体として減らすことになる。

 しかし、トランプ氏はどうやら市場システムの理解を欠いているようなので、市場競争阻害的な手段を多用するおそれは大きい。トランプ氏はグローバリゼーションをは否定するが、競争の否定で世界市場が縮小するというコストを払ってもグローバル化を阻止しようとするトランプ氏の政策はアメリカにも日本にも大きなマイナスとなる。とくに大きな影響を受ける日本は反市場競争主義の介入と干渉を防ぐ知恵と手段を持ち合わせているだろうか。

 3)日米軍事同盟について、トランプ氏は、日本を名指しで「アメリカに依存しているのにそのコストを払っていない」「全額を払わないなら米軍は撤退する」「核兵器でも何でも持って自国を守れはよい」などの主張を繰り返してきた。トランプ氏のこれらの主張は、日本が駐留経費の7割も負担している事実を知らない、日米安保がアメリカが世界を制御する地位を支えていることや、核不拡散の意義を理解していないことを示している。

 しかし、事実も知らず同盟の意義も理解していないトランプ大統領でもその主張だけは明確なので、日本は熱心に事実の理解を求めると同時に、それでもそうした主張が強制される場合について、現実的な戦略的対応案を策定しておく必要がある。たとえば、日米安保を頼れない場合の自国防衛の戦略などである。これら戦略的対応案は、今日から、大統領の就任式までの約2ヶ月間に政府や専門機関、専門家の周知を糾合して作成を急ぐ必要がある。

ネット党首討論 憲法問題の討論

憲法問題についての全党首の見解表明をうけて、互いの討論がしばらく行われた。このエッセイではその要旨を紹介するとともに、私の憲法討論へのコメントと今回のネット党首討論企画への感想を付け加えたい。


松井氏(大阪維新):教育無償化のためにも憲法改正は必要。

志位氏(共産党):教育無償化のために憲法変える必要はない。教育権、幸福権の規定でできる。

松井氏(大阪維新):今でもできるならなぜ今やらない。憲法に規定しておかなければその問題への対応は政権毎に変わるおそれ。根幹的政策は憲法で規定する必要。

安倍氏(自民党):共産党は良い事でも憲法を変えないのか。自衛隊は違憲なのか。

志位氏(共産党):基本的人権関連でも30条もの規定がある。9条は国民の理想だ。

岡田氏(民進党):安倍氏は憲法改正に熱意。粛々とどこを変えようというのか。

安倍氏(自民党):憲法改正は自民党の党是だ。どの条文を変えるかはまだ決まっていないから今次選挙の争点にはしない。憲法審査会の議論にかかっている。

荒井氏(改革):憲法改正問題を煮詰めたとき、公明党と自民党には大きな違いがあることが見えてくるのではないか。

山口氏(公明):憲法改正は国会で発議するもの。まだ議論が成熟していないので争点にならない。与党は行政権を担うもので、憲法改正を発議する権能はない。

岡田氏(民進党);審査会は一度も開かれていない。現実がともなっていない。

安倍氏(自民党):民主党政権時代も全く動いていなかった。憲法改正問題は国会議員が発議をし、決めるのはあくまで国民だ。


以上が、党首達の互いの討論の要旨である。一人30秒という持ち時間を守って、党首の皆さんはそれでも論点はしっかり主張し、良い討論だったと思う。


この討論にはいくつかの焦点があった。

1. 国民の重大な関心事なのに、なぜ、安倍首相はそれを選挙の争点にしないのか。安倍氏は本来憲法改正に強い意欲もしくは執念を持っている。争点にしないのは姑息だ。2/3の議席を確保したら数の力で改正に持ち込むのでは、という疑念が野党には根強い。新安保法の時は解釈改憲は立憲主義をないがしろにしたという思いが野党の疑念を一層強めている。安倍首相は、憲法改正は自民党結党の党是だ。ただどの条文を変えるかという問題は憲法審査会の議論が煮詰まっていないので争点にならないとする。野党の疑念と安倍首相の建前論は現時点では平行線で引き分けか。


2. 公明党の山口氏は、憲法をめぐる議論がまだ成熟していないと強調した。政党や国会議員のレベルでも成熟していないが、国民のレベルでは成熟という前に、国民は憲法問題を理解するに必要な情報も持っていないのが大きな問題である。現行憲法の最大の争点は第9条だろう。その9条をふくむ現行憲法の主要内容が占領下でどのように起案され議論され制定されたのか。それをめぐるマッカーサーと幣原喜重郎首相との議論と理解はどのようになされたのか。国際情勢はどうだったのか。占領軍もアメリカも極東委員会もその頃、世界の安全保障問題とは、日本の危険から世界をどう守るかだった。

ソ連の脅威が高まり冷戦時代に入るとアメリカの対応は正反対になり、日本を冷戦体制下の同盟国と見るようになった。「平和憲法」の意味は180度変わったはずである。戦後の教育は、国際環境下の日本現代史をほとんど教えてこなかった。何も知らない国民に今、いきなり憲法改正問題を突きつければどういうことになるか。右翼は一瀉千里に走ろうとするだろう。左翼は感情的な反発を強めるだけだろう。国論はいたずらに発散する。それは望ましいだろうか。

今の憲法でも不十分ながら今の日本の必要としていることはおおかたできる。今、なすべきことは、急がば廻れで、現代史教育を最重要科目として、国際環境の中での日本の一世紀の歩みを、覚えるのではなく考える教育として、じっくりと多面的な情報を提供することではないか。国民が自分で自国の歴史を考えられるようになったら、おもむろに自主憲法でも憲法改正でも提起すれば良い。それでも遅すぎることはない。拙速で自己分裂するよりはるかに健全ではないか。


3. ネット党首討論はこのネット情報化時代に有意義な企画といえる。なにしろ情報伝達が早い。インターネットで流れるので、リアルタイムで観たければ全ての内容を見れる。細切れに編集されたマスメディアとはそこが違う。18歳で選挙権がもてる時代にこのメディアはさらに訴求力をもつだろう。若者はマスメディアよりソーシャルメディアに親近感があるからである。


今回の討論会で、私は敢えて司会の古市憲寿氏に苦言を呈したい。彼は小沢一郎党首に、突然、再婚相手は?と質問した。小沢氏が直後に紙片で暴言として抗議し謝罪を要求したところ、古市氏はネット放送なので、登場人物の人柄も感じてもらおうと思って・・と弁解した。本当にそんな理解で司会をしていたのなら、聴衆をこんなに馬鹿にした態度はない。選挙権をもった若者は自分達の将来について真剣に知りたいはずであり、それを4流のお笑いのセンスでしかも党首のプライバシーをネタに関心を引きつけるつもりだったとは言語道断だ。メディアに携わる人間は真剣な話題を聴衆とともにあくまでも真剣に真剣に問いつづけることが使命であることを肝に銘じてもらいたい。

ネット党首討論 憲法問題への見解

憲法問題に関する党首の見解は、安倍氏以外の他の党首が皆見解を述べた後で、安倍氏が見解を述べ、その後、皆で互いに討論するという形で進められた。このエッセイでは、一連の党首の見解の要旨を紹介し、次のエッセイで、互いの討論の要旨を紹介したうえで、私のコメントもつけることとしたい。


岡田氏(民進党):憲法を変えるのは間違いだ。一定の限定範囲内と言っても武力行使を妨げないことになる。平和主義そのものが変わってしまう。安倍氏は憲法問題は今次選挙の争点でないと言うが、衆参両院で2/3を取れば、改正を発議するだろう。国民にはもっと危機感を持ってもらいたい。日本の誇るべき平和主義が危うい。安倍氏は立憲主義を理解してもらいたい。力で押し切るのは危険だ。

山口氏(公明党):自民は憲法草案をつくって全体を変えようという立場。公明党は、現行憲法の必要箇所を部分的に変える”加憲主義”だ。与党合意は行政権の範囲であり、発議するのは国会。改正の合意をするなら国会ですべし。まだ国民に問いかけるほど議論が成熟していない。国民の理解を得つつ基本を守りながらギリギリの調整をする。

志位氏(共産党):昨年9月19日に新安保法制を可決したが、数の横暴だった。アメリカの戦争に日本が巻き込まれる危険。新安保法制は廃止するしかない。憲法9条では集団自衛はできないことは明白なのに、拡大解釈で立憲主義を変えてしまった。自民党の改憲案は9条2項を変え、国防軍をつくり海外派兵をする。国民の人権が逆に制約されてしまう。今次選挙の大争点だ。

松井氏(大阪維新):憲法を変えるのは国民投票で国会議員ではない。ただ、発議は政党。憲法改正が必要なのは9条だけではない。時代に合わなくなった部分は多い。たとえば道州制でも選挙で提案すると賛成多いが選挙終われば手つかず。日本を多極分散型にするには国と地方の統治機構を変える必要。そのためには憲法改正必要。義務教育以上の無償化には憲法改正必要。

吉田氏(社民):安倍氏は任期中に憲法改正したいと言明した。今次選挙の争点だ。戦後、憲法が変わらなかったのは国民が望まなかったからだ。現行憲法でも、生存権や幸福権の規定などどこまで実態的に生かされているか。現実を憲法に近づけることこそ必要。現行憲法が果たしてきた役割を尊重してから議論をすべきだ。

小沢氏(生活):憲法は国民の命と暮らしを守る最高のルール。理念と原則は守るべし。自民党の改正案では集団自衛権明示するようだが、戦前の大陸侵略は個別自衛権の発動だった。解釈拡大でなんでも可能になる。日本の平和は世界平和があってこそ。国連中心の平和活動に委ね、積極協力すべし。国連信じなければ軍拡競争になる。

中山氏(日本の心):長い歴史を持つ日本人の手で憲法を。近々、わが党の基本方針と憲法案の概要を発表する。伊藤博文が明治憲法準備のためシュタイン教授に教えを乞うた時、教授は憲法は民族精神の発露。自分は日本を知らぬから教えられないと言ったという。現行憲法は日本知らぬ人々が書いた粗雑なもの。マクネリー教授によれば前文はコピペだという。自前の憲法をつくるべし。

荒井氏(改革):福島原発事故の時、全国民が避難を考えた。いまでも帰れない人々が多い。万が一に備え、抑止力を持つ必要。戦争の抑止力備えてはじめて国民を守ることができる。あの戦争の教訓は、政府はときに暴走したり、間違えたりすること。自衛隊に海外展開は事前に国会で承認の規定設けた。安倍氏は立憲主義を知っているから事前承認のルールを設けた。

安倍氏(自民党):サミット後、オバマ大統領が広島を訪問してくれた。日本とアメリカは世界の課題に挑む希望の同盟。日本を守るために互いに助ける。北朝鮮の脅威に対して、日米の連携これまでよりはるかに強力になった。時代の変化に合わせて変えるべきものは変える。今や世界は大きく変わっており、守るべきものも変わった。憲法改正はめざす。それは自民党の結党の精神だ。ただ、どの条文をどう変えるかなどについては憲法審査会で議論は収斂していない。決めるのは国民投票だ。


以上が各党首の憲法に関する見解表明。その後、互いの討論が行われたが、次のエッセイでその要旨を紹介したうえで私のコメントをつけることにしたい。

ネット党首討論 経済政策討論

今回は、6月19日に行われたネット党首討論のうち、経済政策についての党首同士の討論の要旨を紹介しつつ私の感想も述べることとしたい。討論の発言は1回30秒以内だったので、緊張感もあり、重要な論点が浮き彫りされたと思う。


吉田氏(社民):安倍氏は21兆の税増収といったが、8兆は消費増税で水増しではないか。

安倍氏(自民):消費増税含めて21兆。増税以外で13兆の増収は大きな成果だ。

岡田氏(民進):リーマン級のショックない限り17年4月には消費増税と言っていたのに6月1日の記者会見で突然、消費増税延期とは!

安倍氏(自民):G7で世界不況を乗り越えるためあらゆる政策で対応しようと合意した。その中で日本はこれまでとは異なった”新しい判断”として消費増税延期を決めた。それでも保育、介護などはしっかり充実させる。

松井氏(維新):社会保障財源は恒久財源が望ましい。成長の果実は不確実では?
岡田さん、赤字国債は無責任ではないか。

岡田氏(民進):行財政改革で財源捻出に尽力し、それでも足りないときは赤字国債と言っている。

志位氏(共産):奨学金で300万~1000万の返済に苦しむ人々が多い。給付型奨学金を創設せよ。

安倍氏(自民):無利子奨学金実施方針。給付型は財源得てから実行したい。

松井氏(維新):行財政改革で財源というが民主党政権時代、歳費削減もせず、なぜやらなかった?

岡田氏(民進):国家公務員を純減させた。いま、参議院議員削減をなぜしない?

松井氏(維新):公約に書いたが、力があればやれる。過半数あれば直ちにやった。

荒井氏(改革):民自公で消費増税約束したのに、なぜ民主党は最後まで消費増税推進しなかった?

岡田氏(民進):経済状況によっては先送り条項つけた。安倍さんはそれを削除してから約束を破った。

荒井氏(改革):それは岡田さんがそもそもやらなかったからではないか。

中山氏(心):給付型奨学金はわが党の提案です。子育てにかかる費用削減は重要。

安倍氏(自民):消費増税延期の信を参院選で問うため改選議席の過半を賭けている。また、子供貧困対策に児童扶養手当2倍、自立支援5万円を決めている。

志位氏(共産):安倍さんの言う多様な働き方は「過労死促進法」ではないか。

安倍氏(自民):そうして決めつけ方は不当だ。皆が仕事を選べる経済状態を実現したい。

志位氏(共産):ワタミで原告がどんな被害を受けたか?多様な選択ではダメで法規制すべきだ。


党首相互の討論の概要は以上のようなものだった。一人の発言が、見解表明で2分以内、討論で30秒以内に限られていたので、党首は存分に語れなかったかと思うが、皆さん制限時間以内で見事に論点は主張されており、そのなかから有権者にとって重要ないくつかの問題が浮き彫りにされた。いくつかコメントしたい。


1. アベノミクスは国民にとってメリットがあったのか、あるのか。安倍首相が強調した成果はたしかにあったが、人口縮小・高齢化や世界経済不調という内外の逆風のなかで、財政赤字を縮小し社会保障財源を確保することは与党の現行の政策で果たして可能なのか?その財源を確保する成長は実現できるのか、という最重要問題について議論は深まらなかった。これは国会論戦でもふかまっておらず、野党が力のある対案を示せないことに最大の難点があるようにおもう。

2. 財源確保のための行財政改革はもちろん重要。松井氏の事例は示唆的だ。しかし、はるかに大きいのは日本経済が人口縮小のなかで新しい成長を実現できるかどうかだ。そうした議論を国民は待っている。構造改革が基本だが、中山党首の共同溝の提案なども検討に値する。

3. 18歳以上に選挙権、という条件のもとで、各党とも奨学金の無利子化、給付型奨学金の導入に時間を割いた。このテーマは意欲ある若者達の最大の関心だろう。若者達も各政党のこうした提言が口先に終わらないよう皆で情報を共有し団結して政党に強く要請してはどうか。

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